「本当にしなくていいのか」 義父にそう言われたのは、式はしないと伝えたその日でした。 二度聞かれて、わたしたちは答えに詰まりました。 この記事では、結婚式をしないことに反対されたとき、何が起きているのかを整理します。
- 反対の言葉と、本当に気にしていることは違う
- その場で説得しない。受け取って、日を置く
- 折り合いは「する/しない」ではなく、形の大きさでつける
- 式をしないと言ったら、反対された
- 「お金は出す」と言われて、断りにくい
- 親戚への説明を、どうするか困っている
- 相手の親と、自分の親で反応が違う
- 話すたびに同じところへ戻ってしまう
反対の言葉は、たいてい言い換え
親が口にするのは、「世間体が悪い」「親戚に何と言えばいいのか」「あとで後悔する」です。 どれも、そのままの意味ではないことがあります。
| 言われること | その下にあること |
|---|---|
| 世間体が悪い | 親戚・近所に説明できないのが困る |
| あとで後悔する | 自分たちの経験から、やっておいたほうがいいと思っている |
| お金は出すから | 費用が理由だと思っている。役に立ちたい |
| 一生に一度なのに | 娘・息子の晴れ姿を見たかった |
| 本当にいいのか | ふたりが納得しているのかを確かめたい |
言葉に返すのではなく、その下にあるものに返す。 これだけで、話が短くなります。
親がいちばん気にしている5つ
反対の中身を分けると、だいたい次の5つです。
1 説明の手間
親戚や近所に聞かれたとき、どう答えればいいか分からない。
2 晴れ姿
写真でもいいから、きちんとした格好を見たい。言葉にしにくい気持ちです。
3 ふたりの本心
遠慮しているのではないか、お金で諦めたのではないかと心配している。
4 相手の家との釣り合い
片方の家だけが不満に思わないか。実はここを気にする親は多いです。
5 自分たちの役目
親として何かしてやりたい。その機会が無くなることへの寂しさ。
このうち、1・2・5は形を変えれば満たせます。 だから、話は「する/しない」ではなく「代わりに何をするか」に移すと進みます。
その場で押し返さない
反対されたとき、いちばんやってはいけないのは、その場での言い合いです。
最後まで聞く
途中でさえぎらない。言い切ってもらうだけで、半分は終わります。
受け取る
「そう思うよね」「心配だよね」と返します。同意ではありません。
決めたことは変えない
「でも、しないことにしました」ともう一度だけ言います。
日を置く
その日に結論を出さない。1週間あくと、親の側も落ち着きます。
説得は、相手を負かすことになります。 負けた側は、あとで蒸し返します。それより、時間に任せるほうが早いことが多いです。
親戚への説明は、こちらから渡す
「聞かれたら困る」という不安には、答えの文を渡すのがいちばん効きます。
- 「ふたりで話して、式はしないことにしたそうです」
- 「写真は撮って、あとで送ってくれるそうですよ」
- 「落ち着いたら、食事だけする予定だそうです」
この3つのどれかを覚えてもらえば、親は困りません。 説明の負担を、こちらが引き受けるという形です。
答え方が分からないだけのことがあります。
「お金は出す」と言われたら
その場で受けない。これだけは決めておいてください。
受けると、式をする前提の話に戻ります。 「ありがとう。ふたりで相談してから返事します」で、いったん止めて構いません。
そのうえで、こう言えると角が立ちません。 「式の代わりに、写真をお願いしようと思っている。そのときは、少し甘えるかもしれない」。 援助の行き先を、式以外に向ける言い方です。
折り合いは、形の大きさでつける
「する/しない」で争うと、どちらかが負けます。 形の大きさで考えると、あいだがあります。
| 形 | 親の受け止め |
|---|---|
| 式も披露宴もしない | 何も残らないと感じやすい |
| 写真だけ撮る | 晴れ姿が残る。いちばん折り合いがつきやすい |
| 写真+両家の食事会 | 親の役目も残る。人数は6〜10人で足りる |
| 親族だけの挙式 | 式はするが、規模が小さい。費用も抑えられる |
多くの家は、上から2つめか3つめで落ち着きます。 式の代わりに何をするかの回で、それぞれの中身をまとめました。
片方の家だけが反対しているとき
両家で反応が違うことは、よくあります。 そのときは、反対している側の子(実の子)が話すのが基本です。
もう片方の家が「うちは構わない」と言っていることを、わざわざ伝えないほうがいい場合もあります。 比べられると、話が家同士の問題に変わってしまいます。
時間がたっても変わらないとき
何度話しても平行線のことがあります。 そのときは、決めるのはふたりです。
親の同意を得てから進める、と決めてしまうと、いつまでも進みません。 「反対されたままでも、決めたとおりにする」という選択は、ふつうのことです。
そのうえで、写真を送る、食事に誘う、と関係のほうを続けてください。 時間がたつと、反対していたこと自体を、親のほうが忘れていたりします。
きょうだい・親戚から言われたとき
親以外から言われることもあります。 「お母さん、寂しがってたよ」「一度くらいしてあげたら」。
この場合、相手は親の代弁のつもりで言っています。 言い返すより、親と直接話すほうが早く収まります。
その場では受け取るだけ
「そうなんだ、ありがとう」で構いません。
親に直接確かめる
「寂しいって言ってたって聞いたけど」と聞いてみます。
形を足せるか考える
写真だけ、食事だけ。足せるものがあれば足します。
足せないなら、そのまま進める
全員が納得する形は、たいていありません。
決める期限を、ひとつ決めておく
話が長引くのは、決める日が無いからです。
「今月いっぱいで決める」とふたりで決めておくと、 親との話も、その日までの話になります。
期限を過ぎたら、反対されたままでも進めて構いません。 進めたあとに関係が悪くなることは、ほとんどありません。 気まずいのは、決まらないまま時間が過ぎているあいだのほうです。
みさきの12月
義父の「本当にしなくていいのか」は、二度目のほうが小さい声でした。
夫は「うん、しない」とだけ答えました。 それ以上は言いませんでした。
帰り道で、夫が「たぶん、写真のことを言えばよかった」と言いました。 翌週、義母に電話をして、「写真は撮ります。お義父さんたちも一緒に」と伝えました。
義母は「あの人、スーツ新しくするって言ってるわよ」と笑っていました。
母は、そのあいだ何も言いませんでした。 最後にひとこと、こう言いました。
形を小さくすれば、たいてい折り合う。
よくある質問
写真とそのときのことばを、1つのページに
式をしない日にも、写真は残ります。子どものころの1枚と、その日のことばをまとめておけます。
写真を送っていただくだけで、こちらでお作りします。29,800円(税込・買い切り)。公開の期限はありません。
結婚のお知らせを、1枚にして送る
職場に、友人に、遠くの親戚に。LINEで送れる手紙にする方法もあります。
※この記事は物語シリーズ「みさきの、結婚式をしない選択」の1話です。
登場人物はすべてフィクションであり、実在しません。
提供:WebエンジンPro(株式会社MASA)
※記載の内容は一般的な情報をもとにまとめたものです。
作法や慣習は、地域・家庭・宗派によって異なります。
ご家族と相談のうえ、ご判断ください。
