結婚式をしないと言ったら反対された|親が気にしていることと、向き合い方

夜の食卓で、後ろ姿の男性の話を静かに聞いている女性
みさきの、結婚式をしない選択 第2話

「本当にしなくていいのか」 義父にそう言われたのは、式はしないと伝えたその日でした。 二度聞かれて、わたしたちは答えに詰まりました。 この記事では、結婚式をしないことに反対されたとき、何が起きているのかを整理します。

この記事の要点
  1. 反対の言葉と、本当に気にしていることは違う
  2. その場で説得しない。受け取って、日を置く
  3. 折り合いは「する/しない」ではなく、形の大きさでつける
こんなこと、ありませんか
  • 式をしないと言ったら、反対された
  • 「お金は出す」と言われて、断りにくい
  • 親戚への説明を、どうするか困っている
  • 相手の親と、自分の親で反応が違う
  • 話すたびに同じところへ戻ってしまう

反対の言葉は、たいてい言い換え

親が口にするのは、「世間体が悪い」「親戚に何と言えばいいのか」「あとで後悔する」です。 どれも、そのままの意味ではないことがあります。

言われることその下にあること
世間体が悪い 親戚・近所に説明できないのが困る
あとで後悔する 自分たちの経験から、やっておいたほうがいいと思っている
お金は出すから 費用が理由だと思っている。役に立ちたい
一生に一度なのに 娘・息子の晴れ姿を見たかった
本当にいいのか ふたりが納得しているのかを確かめたい

言葉に返すのではなく、その下にあるものに返す。 これだけで、話が短くなります。

手をつけないまま冷めていく湯のみ2つと、小さな菓子皿

親がいちばん気にしている5つ

反対の中身を分けると、だいたい次の5つです。

1

1 説明の手間

親戚や近所に聞かれたとき、どう答えればいいか分からない。

2

2 晴れ姿

写真でもいいから、きちんとした格好を見たい。言葉にしにくい気持ちです。

3

3 ふたりの本心

遠慮しているのではないか、お金で諦めたのではないかと心配している。

4

4 相手の家との釣り合い

片方の家だけが不満に思わないか。実はここを気にする親は多いです。

5

5 自分たちの役目

親として何かしてやりたい。その機会が無くなることへの寂しさ。

このうち、1・2・5は形を変えれば満たせます。 だから、話は「する/しない」ではなく「代わりに何をするか」に移すと進みます。

その場で押し返さない

反対されたとき、いちばんやってはいけないのは、その場での言い合いです。

1

最後まで聞く

途中でさえぎらない。言い切ってもらうだけで、半分は終わります。

2

受け取る

「そう思うよね」「心配だよね」と返します。同意ではありません。

3

決めたことは変えない

「でも、しないことにしました」ともう一度だけ言います。

4

日を置く

その日に結論を出さない。1週間あくと、親の側も落ち着きます。

説得は、相手を負かすことになります。 負けた側は、あとで蒸し返します。それより、時間に任せるほうが早いことが多いです。

親戚への説明は、こちらから渡す

「聞かれたら困る」という不安には、答えの文を渡すのがいちばん効きます。

  • 「ふたりで話して、式はしないことにしたそうです」
  • 「写真は撮って、あとで送ってくれるそうですよ」
  • 「落ち着いたら、食事だけする予定だそうです」

この3つのどれかを覚えてもらえば、親は困りません。 説明の負担を、こちらが引き受けるという形です。

反対されているのではなく、
答え方が分からないだけのことがあります。

「お金は出す」と言われたら

その場で受けない。これだけは決めておいてください。

受けると、式をする前提の話に戻ります。 「ありがとう。ふたりで相談してから返事します」で、いったん止めて構いません。

そのうえで、こう言えると角が立ちません。 「式の代わりに、写真をお願いしようと思っている。そのときは、少し甘えるかもしれない」。 援助の行き先を、式以外に向ける言い方です。

折り合いは、形の大きさでつける

「する/しない」で争うと、どちらかが負けます。 形の大きさで考えると、あいだがあります。

形親の受け止め
式も披露宴もしない 何も残らないと感じやすい
写真だけ撮る 晴れ姿が残る。いちばん折り合いがつきやすい
写真+両家の食事会 親の役目も残る。人数は6〜10人で足りる
親族だけの挙式 式はするが、規模が小さい。費用も抑えられる

多くの家は、上から2つめか3つめで落ち着きます。 式の代わりに何をするかの回で、それぞれの中身をまとめました。

片方の家だけが反対しているとき

両家で反応が違うことは、よくあります。 そのときは、反対している側の子(実の子)が話すのが基本です。

もう片方の家が「うちは構わない」と言っていることを、わざわざ伝えないほうがいい場合もあります。 比べられると、話が家同士の問題に変わってしまいます。

時間がたっても変わらないとき

何度話しても平行線のことがあります。 そのときは、決めるのはふたりです。

親の同意を得てから進める、と決めてしまうと、いつまでも進みません。 「反対されたままでも、決めたとおりにする」という選択は、ふつうのことです。

そのうえで、写真を送る、食事に誘う、と関係のほうを続けてください。 時間がたつと、反対していたこと自体を、親のほうが忘れていたりします。

テーブルの上で組まれた年配の男性の手と、そばの湯のみ

きょうだい・親戚から言われたとき

親以外から言われることもあります。 「お母さん、寂しがってたよ」「一度くらいしてあげたら」。

この場合、相手は親の代弁のつもりで言っています。 言い返すより、親と直接話すほうが早く収まります。

1

その場では受け取るだけ

「そうなんだ、ありがとう」で構いません。

2

親に直接確かめる

「寂しいって言ってたって聞いたけど」と聞いてみます。

3

形を足せるか考える

写真だけ、食事だけ。足せるものがあれば足します。

4

足せないなら、そのまま進める

全員が納得する形は、たいていありません。

決める期限を、ひとつ決めておく

話が長引くのは、決める日が無いからです。

「今月いっぱいで決める」とふたりで決めておくと、 親との話も、その日までの話になります。

期限を過ぎたら、反対されたままでも進めて構いません。 進めたあとに関係が悪くなることは、ほとんどありません。 気まずいのは、決まらないまま時間が過ぎているあいだのほうです。

みさきの12月

義父の「本当にしなくていいのか」は、二度目のほうが小さい声でした。

夫は「うん、しない」とだけ答えました。 それ以上は言いませんでした。

帰り道で、夫が「たぶん、写真のことを言えばよかった」と言いました。 翌週、義母に電話をして、「写真は撮ります。お義父さんたちも一緒に」と伝えました。

義母は「あの人、スーツ新しくするって言ってるわよ」と笑っていました。

母は、そのあいだ何も言いませんでした。 最後にひとこと、こう言いました。

電話口で、何も言わずに耳をかたむけている母
「①押し切る、②形を小さくする、③時間を置く。どれにする?」 お義父さんは、ただ着ていく場所が欲しいのよ。どれでもいいのよ。
夜の窓辺で、マグカップを両手に包んで外を見ている女性
反対されているのは、式ではない。
形を小さくすれば、たいてい折り合う。

よくある質問

反対されたまま進めてもいいですか。
構いません。決めるのはふたりです。反対された事実は残りますが、写真を送る・食事に誘うなど関係を続けるほうが、あとで効きます。
「お金は出す」と言われました。断っていいですか。
その場で決めなくて構いません。受けると式をする前提に戻ることがあるので、いったん持ち帰ってください。
親戚に説明するのが負担だと言われます。
「ふたりで決めたそうです」と答えてもらえる一文を、こちらから渡してください。説明の負担を引き受ける形です。
相手の親だけが反対しています。どうすれば。
その家の実の子から話してもらいます。義理の側から説得すると、こじれやすくなります。
何度も同じ話に戻ります。
その日に決着させようとしないでください。日を置くほうが早く収まります。
残しておく

写真とそのときのことばを、1つのページに

式をしない日にも、写真は残ります。子どものころの1枚と、その日のことばをまとめておけます。

写真を送っていただくだけで、こちらでお作りします。29,800円(税込・買い切り)。公開の期限はありません。

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※この記事は物語シリーズ「みさきの、結婚式をしない選択」の1話です。 登場人物はすべてフィクションであり、実在しません。 提供:WebエンジンPro(株式会社MASA)
※記載の内容は一般的な情報をもとにまとめたものです。 作法や慣習は、地域・家庭・宗派によって異なります。 ご家族と相談のうえ、ご判断ください。

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