式をしないと決めたあとで、ひとつだけ心に残ったことがありました。 親への手紙を読む場が、なくなることです。 この記事では、花嫁の手紙を読む場がないときに、感謝をどう伝えるかをまとめます。
- 手紙は式のためのものではない。場がなくても書ける
- 書くのは具体的な思い出を1つと、ありがとうの一言
- 渡し方は4つ。写真と一緒だと、読み返してもらえる
- 式をしないので、手紙を読む場がない
- 書きたい気持ちはあるが、渡すきっかけがない
- 面と向かって読むのは照れくさい
- 何を書けばいいか分からない
- 父と母、それぞれに書くべきか迷う
手紙は、式のためのものではない
披露宴の終わりに親への手紙を読む場面は、式の中でいちばん泣く人が多いところです。 ただ、あれは手紙を読む場であって、手紙そのものは式とは関係ありません。
場がないなら、渡し方を変えればいいだけです。 読み上げない手紙は、読み返してもらえるという利点もあります。
書かない理由は、別のことです。
何を書くか
長く書こうとすると、書けなくなります。 入れるのは、次の3つだけで足ります。
具体的な思い出を1つ
「毎朝、髪を結んでくれたこと」。場面がひとつあると、手紙は一気に本物になります。
ありがとうの一言
飾らなくて構いません。「ありがとう」の4文字で十分です。
これからのこと
「ふたりで、ちゃんとやっていく」。親がいちばん聞きたいのは、ここかもしれません。
やってしまいがちなのが、全部の思い出を書こうとすることです。 書ききれずに途中でやめてしまうくらいなら、ひとつだけにしてください。
「いろいろありがとう」より、ひとつの場面
同じ感謝でも、伝わり方がまるで違います。
| 書き方 | どう届くか |
|---|---|
| いろいろありがとう | 気持ちは伝わるが、記憶には残りにくい |
| 育ててくれてありがとう | 少し近づく。まだ一般的 |
| 受験の前の晩、夜食を作ってくれてありがとう | その場面ごと思い出す。いちばん長く残る |
思い出が出てこないときは、台所・車の中・病気のときを思い返してください。 たいてい、このどれかに1つあります。
便箋は1枚で構いません。 2枚目に入ると、たいてい同じことを言い換えているだけになります。
父へ、母へ、分けて書くか
分けても、1通でも構いません。 迷ったら、1通に両方の名前を書いて、それぞれに一行ずつ入れる形が書きやすいです。
- 母へ:毎日のこと(食事・送り迎え・話を聞いてくれたこと)
- 父へ:言葉数の少なかった場面(黙って送ってくれた、何も言わずにいてくれた)
父親への一行は、短いほど届きます。 「いろいろ言ったけど、感謝してる」。これで十分です。
書く前に迷うのは、たいてい「重くなりすぎないか」です。 重くなるのは、長く書いたときだけです。 短い手紙が重く感じられることは、ほとんどありません。
いつ渡すか
場がないぶん、日を自分で決めることになります。
実家を出る日
いちばん自然です。荷物を運び出したあと、玄関で渡します。
入籍の日
報告に立ち寄ったとき。「これ、あとで読んで」と置いてきます。
写真を撮った日
写真を渡すときに一緒に。式をしない人には、この形が多いです。
親の誕生日
焦らず書けます。式の時期を過ぎても構いません。
渡す日を決めないと、たいてい書き終わりません。 先に日を決めて、そこから逆算してください。
渡し方は4つ
読み上げないなら、形を選べます。
| 渡し方 | よいところ | 気になるところ |
|---|---|---|
| 便箋の手紙 | 手書きの温かさ。確実に届く | 写真は入れにくい。しまい込まれて読み返されないことも |
| LINEで送る | その日のうちに送れる。照れくさくない | ほかのやりとりに流れて、あとから探せない |
| 動画・スライド | 写真と音で伝わりやすい | 作る手間がかかる。親が再生しにくいことがある |
| 写真とことばのページ | 写真と言葉を1つにまとめられる。スマホで何度でも開ける | 自分で作ると手間。頼むと費用がかかる |
親の年齢と、ふだん何を使っているかで選んでください。 開けない形で渡すと、届きません。
書き出せないときの、3行法
いちばん多いのは、「お母さんへ」の次で止まることです。 そういうときは、順番を変えます。
思い出をひとつ書く
「毎朝、髪を結んでくれた」。まず、これだけを紙に書きます。
そのときの気持ちを1行足す
「あれが当たり前だと思っていました」。
最後にありがとうを置く
「ありがとう」。ここで終わって構いません。
書き出しは、最後に足す
「お母さんへ」は、いちばん最後に書けば止まりません。
3行でできた手紙は、短すぎるように見えます。 けれど、読む側にとっては、長さより場面の具体さのほうが効きます。
書く時間は、作らないと取れない
手紙は、時間が空いたら書こうと思っているうちは書けません。
- 渡す日を先に決める
- その1週間前の夜を、1時間だけ空ける
- 便箋と封筒を先に買っておく(これがいちばん効きます)
便箋を買った日から、書き始めるまでが早くなります。 道具を先に用意するのは、手紙にもあてはまります。
相手が受け取りやすい形を選ぶ
同じ手紙でも、渡し方で残り方が変わります。 迷ったら、親がふだん何を使っているかで決めてください。
- スマホをよく使う親:写真と一緒に見られる形が向いています
- 紙のものを大事にする親:便箋がいちばん喜ばれます
- 照れくさがる親:置いてくる、送る、のほうが受け取りやすいです
どれを選んでも、中身は変わりません。 形で迷って書かないより、書いてから形を決めるほうが早いです。
読み上げたいなら、場を作ってもいい
どうしても読みたい人もいます。 その場合は、食事会の最後に1分だけという形があります。
- 立ち上がらない。座ったまま、手元で読む
- 長さは、便箋1枚まで
- 泣いてもいい。途中で止まっても、誰も困りません
式をしないからといって、読む場を作ってはいけないわけではありません。
相手の親にも書くか
書かなくて構いません。 ただ、写真を渡すときに一言だけ添えると、受け取り方が変わります。
「これからよろしくお願いします」。この一行で十分です。 義理の親への長い手紙は、かえって気をつかわせることがあります。
みさきの2月
写真を撮る日が決まってから、手紙のことを思い出しました。
書き始めて、最初の一行で止まりました。 「お母さんへ」のあとが、出てこないのです。
母の思い出を探していて、ふと、毎朝髪を結んでもらっていたことを思い出しました。 その一行を書いたら、あとは続きました。
夫は書かないと言いました。 代わりに、義母に電話をしていました。それもいいのだと思います。
わたしは便箋に書いて、写真を渡す日に一緒に置いてきました。
思い出をひとつ、それだけでいい。
よくある質問
写真とそのときのことばを、1つのページに
式をしない日にも、写真は残ります。子どものころの1枚と、その日のことばをまとめておけます。
写真を送っていただくだけで、こちらでお作りします。29,800円(税込・買い切り)。公開の期限はありません。
結婚のお知らせを、1枚にして送る
職場に、友人に、遠くの親戚に。LINEで送れる手紙にする方法もあります。
※この記事は物語シリーズ「みさきの、結婚式をしない選択」の1話です。
登場人物はすべてフィクションであり、実在しません。
提供:WebエンジンPro(株式会社MASA)
※記載の内容は一般的な情報をもとにまとめたものです。
作法や慣習は、地域・家庭・宗派によって異なります。
ご家族と相談のうえ、ご判断ください。
