結婚式をしないと決めたら、親にはどう伝える?

夜のソファで、画面の消えたスマートフォンを両手に持ち、言葉を選んでいる女性
みさきの、結婚式をしない選択 第1話

婚姻届を出した週の日曜日に、ふたりで「式はしない」と決めました。 決めたあとで残ったのは、「これを親にどう言うか」だけでした。 この記事では、結婚式をしないと決めたあとの、親への伝え方をまとめます。

この記事の要点
  1. 伝えるのは決めたこと。相談の形にすると、話が長くなる
  2. 理由はお金の話だけにしない。もうひとつ添える
  3. 代わりにすることを一緒に言うと、受け止められやすい
こんなこと、ありませんか
  • 結婚式をしないと決めたが、親に言い出せていない
  • 「お金がないから」と思われたくない
  • 反対されたら、どう答えればいいか分からない
  • 相手の親にも自分から言うべきか迷う
  • 言うタイミングを逃したまま、時間が過ぎている

伝えるのは「決めたこと」

いちばん迷うのは、相談の形にするか、決めたこととして伝えるかです。

相談の形にすると、親は「考え直す余地がある」と受け取ります。 そこから、式場を見に行く話や、親戚への説明の話が始まります。 ふたりで決めたのなら、決めたこととして伝えるほうが短く済みます。

冷たい言い方に聞こえるかもしれませんが、 「相談ではなく報告」という形のほうが、親も気持ちを切り替えやすいものです。

「どうしようか」ではなく、
「こうすることにしました」から始める。
低いテーブルに置かれた湯のみ2つと、何も書かれていないノートとペン

それぞれが、自分の親に伝える

順番は決まっていませんが、それぞれが自分の親に伝えるのがいちばん角が立ちません。

伝える人相手理由
自分 自分の親 言いにくいことほど、実の子から言うほうが通りやすい
相手 相手の親 同じ理由。義理の関係から先に切り出さない
ふたりそろって あとから 一度それぞれが伝えたあと、そろって会うと話が早い

どちらかの親にだけ先に伝わると、あとで「聞いていない」という話になります。 同じ週のうちに、両方へが目安です。

言い方は、3つの部分でできている

長い説明は要りません。次の3つを、この順で言えば足ります。

1

決めたことを言う

「式はしないことにしました」。ここで一度、区切ります。

2

理由を2つ言う

ひとつはお金や時間、もうひとつは気持ちの話。次の章で書きます。

3

代わりにすることを言う

「写真は撮ります」「食事会はします」。ここが、いちばん効きます。

このあとは、黙って聞きます。 説得しようとしないことが、いちばん大事です。

理由は、お金の話だけにしない

「費用がかかるから」だけを言うと、親はこう考えます。 「お金の問題なら、出してあげればいいのか」。

そこから援助の話になり、話が長くなります。 お金の話をするなら、もうひとつ理由を添えてください。

1

人を呼ぶのが負担

遠方の親戚や、忙しい友人に来てもらうのが申し訳ない。ふたりとも人前が苦手。

2

準備の時間がない

仕事や引っ越しと重なっている。準備で消耗したくない。

3

形にこだわらない

ふたりにとって、大事なのは式ではなかった。写真と食事があればいい。

4

費用を別のことに使いたい

新居や、これからの生活に回したい。これは2つめの理由として添える。

理由は、正直なものをひとつで構いません。 取りつくろった理由は、あとで話が合わなくなります。

代わりにすることを、一緒に伝える

親が気にしているのは、式そのものより「何も無いまま終わること」です。

だから、代わりにすることを一緒に伝えると、受け止め方が変わります。

  • 写真だけ撮る(両家の親も一緒に)
  • 両家で食事会をする
  • 入籍の日に、家族で集まる
  • 何もしないが、写真と言葉は残す

「何もしない」ではなく「これはする」と言えるかどうかで、その後の話が変わります。 代わりにできることは、式の代わりに何をするかの回にまとめました。

反対されたら、その場で押し返さない

反対されることはあります。 そのとき、その場で説得しようとすると、たいてい平行線になります。

1

最後まで聞く

途中でさえぎらない。親の言葉は、たいてい心配の言い換えです。

2

気持ちを受け取る

「そう思うよね」とだけ返します。同意ではなく、受け取りです。

3

決めたことは変えない

「でも、しないことにしました」と、もう一度だけ言います。

4

日を置く

その日に決着させない。1週間あくと、親の側も落ち着きます。

反対の理由と、親が本当に気にしていることは違うことがあります。 それは反対されたときの回で分けて書きました。

ご祝儀・援助の話が出たら

「お金なら出す」と言われることがあります。 うれしい申し出ですが、受けるかどうかはその場で決めないでください。

受けると、式をする前提の話に戻ることがあります。 「ありがとう。ふたりで相談してから返事します」で、いったん止めて構いません。

すでに援助の約束がある場合は、式をしないと決めた時点で伝えるほうが、あとでこじれません。

伝える時期

早いほうが楽です。 式場を見に行く話が出る前、親戚に話が回る前が目安になります。

時期伝えやすさ
入籍の前後 いちばん自然。手続きの報告と一緒に言える
顔合わせの直後 式の話が出る前に言える。ただし慌ただしい
親戚に話が回ったあと 説明する相手が増える。避けたい
低いテーブルをはさんで向かい合う2組の手と、あいだに置かれた湯のみ

言わないほうがいいこと

伝えるときに、つい言ってしまいがちで、あとに残るものがあります。

言いがちなことどう受け取られるか
「いまどき、式なんてしない」 式をした親や親戚を否定したように聞こえます
「お金がもったいない」 出してもらった人・出そうとした人には強く響きます
「そっちの家が言うから」 家同士の話に変わります。決めたのはふたり、で通します
「まだ分からないけど」 相談の余地があると受け取られ、話が長くなります

言いたいことがあっても、そこは飲み込んで構いません。 伝えたいのは決めたことであって、式についての考えではありません。

伝えたあとに、しておくこと

伝えて終わりにすると、親の側に何も残りません。

  • 写真を撮る日が決まったら、すぐに知らせる
  • 当日の服装を聞かれたら、こちらから案を出す
  • 撮った写真は、プリントして手渡す

そのあと連絡が続くかどうかで、受け止め方が変わります。 反対されていた家ほど、ここが効きます。

みさきの12月

婚姻届を出した次の日曜日に、母に電話をしました。

「式はしないことにした」と言うと、母は「あら、そう」と言いました。 それから少し黙って、「写真は撮るの?」と聞きました。

わたしは「撮る。お母さんたちも一緒に」と答えました。 母は「じゃあ、いいわね」と言いました。 心配していたのは、式ではなく、何も残らないことだったのだと思います。

夫の家は、少し違いました。 義父は「本当にしなくていいのか」と、二度聞きました。

自宅のテーブルで電話を耳にあて、おだやかに聞いている母
「①式をする、②写真だけにする、③何もしない。どれにする?」 母さんたちは、写真だけだったのよ。それで足りたわ。どれでもいいのよ。

そのあと母は、自分たちのときの写真を探し出してきました。

電話を置いて、ソファでほっと息をつく女性
伝えるのは、決めたこと。
代わりにすることを、一緒に。

よくある質問

相談の形で伝えたら、いけませんか。
いけないことはありません。ただ、考え直す余地があると受け取られやすいので、話が長くなりがちです。 ふたりで決めているなら、決めたこととして伝えるほうが短く済みます。
相手の親には、誰が伝えるのがいいですか。
それぞれが自分の親に伝えるのが基本です。義理の関係から切り出すと、断りにくい空気になります。
「世間体が悪い」と言われました。
親が気にしているのは、親戚や近所への説明であることが多いです。 「聞かれたら、こう言ってくれていい」という一言を渡すと、落ち着くことがあります。
式をしないと、ご祝儀はどうなりますか。
いただく場が無くなるだけです。個別にお祝いをいただいたときは、半額程度のお返しを送る人が多いです。
決めたあとで気が変わったら。
変えて構いません。写真だけ、食事会だけ、と形を足していくこともできます。
残しておく

写真とそのときのことばを、1つのページに

式をしない日にも、写真は残ります。子どものころの1枚と、その日のことばをまとめておけます。

写真を送っていただくだけで、こちらでお作りします。29,800円(税込・買い切り)。公開の期限はありません。

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※この記事は物語シリーズ「みさきの、結婚式をしない選択」の1話です。 登場人物はすべてフィクションであり、実在しません。 提供:WebエンジンPro(株式会社MASA)
※記載の内容は一般的な情報をもとにまとめたものです。 作法や慣習は、地域・家庭・宗派によって異なります。 ご家族と相談のうえ、ご判断ください。

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