通ってくださっている方が、お友だちをひとり連れてきてくれました。 何がよかったのかは、聞けていません。 この記事では、紹介がどうやって生まれるのかと、そのために整えられることをまとめます。
- 紹介は増やす手段ではなく、積み重ねの結果
- 紹介されるのは、人に説明しやすい店
- 紹介のお礼と口コミのお願いは、分けて考える
- 常連さんはいるが、紹介につながらない
- 「紹介してください」と言えないまま何年も経っている
- 紹介特典を作るべきか迷っている
- 紹介で来た方が、一度きりで終わってしまった
- そもそも自分の店の特徴を、うまく言葉にできない
紹介は、狙って作れません
最初に、あまり役に立たないことを書きます。
紹介を増やす確実な方法は、ありません。 お客様が誰かに話すかどうかは、こちらから操作できないからです。 「紹介が増える3つの仕組み」といった話は世の中にありますが、 仕組みだけで人が誰かを連れてくることはありません。
ただ、紹介されやすい店には共通点があります。 紹介そのものは作れなくても、条件は整えられる。この記事はその話です。
紹介されやすい店の、3つの条件
説明しやすい
「◯◯が得意な人」と一言で言える。長い説明が必要な店は、人に伝えられません。
連れて行きやすい
料金が分かる、場所が伝えられる、予約方法が明快。不明点があると誘いにくい。
覚えていてくれる
自分のことを分かってくれている、という体験。これが「話したくなる理由」になります。
この3つは、どれも紹介する側の負担を減らすものです。 人が誰かに店を紹介するとき、いちばんの障害は「うまく説明できるか」と 「すすめて外れだったら気まずい」の2つです。ここを軽くしておきます。
「説明しやすい」をつくる
いちばん大事なのがここです。
お客様があなたの店を誰かに話すとき、使えるのはひと言です。 「駅の近くにある、いい感じのネイルの人」では、相手は動きません。
伝わらない
- 丁寧でやさしい人がやってる
- おうちでやってるサロン
- 安くてきれい
- なんでもやってくれる
伝わる
- 自爪を育てるのが得意な人
- シンプルで職場で浮かないデザインの人
- 持ち込みの再現がうまい人
- 深爪の相談ができる人
右側はどれも「誰に向いているか」が入っています。 だから、聞いた人が「それ、わたしのことだ」と思えます。
ここで多くの方がためらうのは、絞ると来る人が減るのでは、という不安です。 ただ、絞らないと、そもそも話題に出ません。 何でもできる店は、思い出してもらう手がかりがないのです。
紹介が生まれる場面を想像してみてください。 友人同士の会話で「爪きれいだね、どこでやってるの」と聞かれた、その数秒です。 この短い時間に伝えられるのは、ひと言だけ。 そのひと言をこちらが用意しておくのが、紹介の準備というものです。
自分の店を、ひと言にする
難しく考える必要はありません。次の2つを埋めてみてください。
ここに入る言葉が、そのままお客様の口から出るひと言になります。 ホームページやSNSのプロフィールにも、同じ言葉を置いてください。 お客様が言葉を探さなくて済むようにするのが目的です。
「連れて行きやすい」を整える
ここは実務です。すぐにできることが3つあります。
料金が、見える場所にある
紹介する側がいちばん困るのが「いくらか分からない」ことです。 誘った手前、高かったら気まずい。料金表が見られる場所を1つ用意するだけで、 誘うハードルが大きく下がります。ホームページでも、SNSの固定投稿でも構いません。
初めての方への案内が、そろっている
場所・駐車場・持ち物・所要時間・予約方法。 これらが1か所にまとまっていると、紹介する側はそのリンクを送るだけで済みます。 口頭で説明させないことが、いちばんの親切です。
ふたり分の枠を、たまに空けておく
「一緒に行こう」となったとき、隣り合った時間が取れないと話が流れます。 毎回でなくて構いません。週に一枠でも連続した時間があると、 誘いが実現しやすくなります。
紹介のお礼を、作るかどうか
紹介特典を用意するのは、選択肢のひとつです。作っても構いません。 ただし、3つだけ気をつけてください。
| 注意すること | 理由 |
|---|---|
| 口コミのお願いと 混ぜない |
評価や口コミの見返りに特典を渡すことは、Googleのガイドライン違反にあたります。 日本では景品表示法上の問題にもなり得ます。紹介のお礼と口コミ依頼は、必ず別のものとして扱ってください |
| 全員に同じ基準にする | 「あの人にはあげた」が生まれると、公平さが崩れます。 条件と内容を先に決めて、誰にでも同じにしてください |
| 金額を大きくしない | 特典が大きいほど、特典目当ての紹介が増えます。 連れてこられた側の熱量も下がり、続きません |
そもそも、多くの方は特典が欲しくて紹介しているわけではありません。 良かったから話しただけです。 そこにお礼を足すのは構いませんが、それが理由になるほど大きくしないでください。
記録が、効いてきます
3つ目の条件、「覚えていてくれる」について。
これは仕組みでは作れません。作れるのは記録する習慣だけです。
前回のデザイン、選んだ色、話した内容、爪の状態、次に試したいと言っていたこと。 ノート1冊で構いません。書いておいて、次にお会いしたときに一言返す。それだけです。
これは大きなサロンほど難しく、ひとりのサロンほどやりやすいことです。 数少ない、規模の小ささが有利にはたらく場面だと思ってください。
書く量も、多くする必要はありません。 「次はもう少し短めがいいと言っていた」「来月お子さんの入学式」—— その程度で十分です。次にお会いしたときに一言返せるものが1つあるだけで、 お客様の側の体験はまったく変わります。
逆に、書かなければ確実に忘れます。人数が増えるほど忘れます。 いちばん暇な時期に、いちばん地味な習慣をつくっておくのが結局は近道です。
紹介で来た方に、してはいけないこと
せっかく来ていただいたのに、一度きりで終わってしまう。 これには、だいたい決まった原因があります。
紹介者の話をしすぎる
「◯◯さんとはいつも」が続くと、間に入った感じになります。話題は本人のことに。
紹介だからと特別扱いする
割引や延長は、次から通常に戻すときに困ります。最初から通常でお迎えを。
紹介者に感想を聞く
「どうでした?」と紹介者に確認すると、責任を負わせます。聞かないでください。
理由は、聞けないままでいい
最後に、この連載を通していちばん書きたかったことを。
なぜ来なくなったのかは、聞けません。相手はもう来ないからです。 そして、なぜ連れてきてくれたのかも、聞けません。 「どこがよかったですか」と尋ねるのは、少し野暮です。
つまり、うまくいった理由もうまくいかなかった理由も、正確には分からないまま進みます。 それでいいのだと思います。分からないから、続けるしかない。 そして続けているうちに、置いておいたものを誰かが持っていく日が来ます。
よくある質問
引き止めなくていい。次に来る理由を、先に置いておく。
このシーズンでみさきがやったことは、どれも同じ形をしています。 次回予約も、値上げも、料金表も、先に置いておいただけです。 言えない自分を直したわけでも、勇気を出したわけでもありません。
ひとつ前の「運営編」では、先に言っておけば、断らなくて済むという形でした。 こちらは断るための先回りです。リピート編は、先に置いておけば、誰かが連れてくる。 呼び戻すための先回りでした。向きは逆ですが、やっていることは変わりません。
先に置く。それだけで、ずいぶん楽になります。
- 第1話 また来ますね、で終わりました
- 第2話 次の日を、決めておきました
- 第3話 値段を、上げることにしました
- 第4話 ノートに、書いています(Instagramのみ)
- 第5話 お友だち価格を、やめました
- 第6話 ひとり、連れてきてくれました(この記事)
「連れて行きやすい店」に、しておく
料金・メニュー・アクセス・初めての方への案内が1か所にまとまっていると、 紹介する側はリンクを送るだけで済みます。 ネイルサロン専用のホームページを、5つのデザインからお選びいただけます。
※この記事は物語シリーズ「ひとりネイルサロン|みさきの物語」の解説記事です。
登場人物はすべてフィクションであり、実在しません。提供:WebエンジンPro(株式会社MASA)
※記載の内容は一般的な情報をもとにまとめたものです。紹介の生まれ方は
地域・客層・営業形態によって異なり、特定の成果をお約束するものではありません。
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