ひとりサロンの相談先マップ|困りごと別に、どこへ聞けばいいか

第6話 ひとりで、やらなくていい|ひとりネイルサロン みさきの物語
トラブル編 第6話

ひとりで始めたのだから、ひとりで解決しなければ—— そう思い込んでしまう方は、とても多いと思います。でも、 ひとりで店をやることと、ひとりで抱えることは、別のことです。 トラブル編の最後に、困りごとの種類ごとの相談先と、 相談する前に整理しておくことをまとめます。

この記事の要点
  1. ひとりで店をやることと、ひとりで抱えることは違う
  2. 困りごとには種類ごとに、決まった相談先があります
  3. 相談する前に3つ整理しておくと、時間もお金も少なく済みます
あるある、ありませんか
  • 困っても、誰に聞けばいいのか分からない
  • こんなことで相談したら、迷惑だろうと思ってしまう
  • 同業には知られたくない。恥ずかしい
  • お金を払って相談するほどのことではない気がする
  • 調べているうちに、何日も過ぎてしまう

全部、わたしも通ってきた道です。 相談先を知らないだけで、抱えているように見えてしまいます

ひとりネイルサロンでも、ひとりで抱える必要はありません

自宅サロンを始めた方の多くが、こう考えます。 「自分で決めたことだから、自分で何とかしなければ」。

その気持ちは、とても真っ当です。ただ、ここには誤解が一つ混じっています

ひとりで抱える

  • 誰にも言わず、自分で調べる
  • 判断が合っているか、確かめる相手がいない
  • 時間だけが過ぎて、状況が悪くなる
  • 同じ失敗を、何度も繰り返す

ひとりで店をやる

  • 最終的に決めるのは、自分
  • 判断材料は、外から集めてよい
  • 専門のことは、専門の人に聞く
  • 決めるのが自分なら、それは十分ひとりです

店舗に勤めていたころは、判断に迷えば店長がいました。 ひとりになると、その人がいなくなったように感じます。 ですが実際は、店長という一人がいなくなっただけで、 相談先そのものが消えたわけではありません。

決めるのが自分であれば、それはひとりでやっていることになります。
材料を集めるところまで自分でやる必要は、まったくありません。

困りごと別|自宅サロンの相談先マップ

いちばん実用的なのが、これです。 困りごとの種類ごとに、行き先はほぼ決まっています

困りごと相談先の例
税金・確定申告税務署の相談窓口、税理士、青色申告会
お客様との金銭トラブル消費生活センター、法テラス、弁護士
衛生・消毒のやり方保健所、器具や薬剤のメーカー
爪や皮膚の異常皮膚科(迷わずここへ)
賃貸・管理規約管理会社、大家さん
ご近所とのこと自治会、管理会社
技術・材料ディーラー、講習、以前の勤務先
集客・ホームページ専門の制作会社
危険を感じたとき警察(迷わず110番/#9110)

この表を印刷して、施術台の引き出しに入れておいてください。 困ってから探すのではなく、困る前に持っておくものです。

ふたつだけ、太字にしています。 体のことと、身の危険を感じたとき。 この2つは、迷う時間そのものが損失になります。

これからも聞きます、と答えるみさき
いえ、これからも聞きます。

相談できない、3つの理由とその外し方

「こんなことで、恥ずかしい」

いちばん多い理由です。特に技術の話は、同業に聞くと自分の腕を疑われる気がします。

ただ、相談先を選べば、この問題は消えます。 技術のことはディーラーや講習、税金のことは税務署。 相手は仕事として答えるだけなので、評価されることはありません。

「迷惑をかけたくない」

公的な窓口は、相談を受けるためにあります。 使わないほうが、むしろもったいないと考えてください。

知り合いに聞く場合も、こちらが恐縮しすぎると相手も答えにくくなります。 「5分だけ」と時間を区切って聞くと、お互いに楽になります。

「お金がかかる」

ここは、はっきり計算したほうがいいところです。

3時間悩む時間で、施術が1件できます。
数千円の相談料を惜しんで、数万円分の時間を使っていないか。 ひとりでやっていると、自分の時間が無料に見えてしまいます。

無料で相談できる窓口も多くあります。 税務署、消費生活センター、保健所は、いずれも費用がかかりません。 まず無料の窓口から始めて、足りなければ有料へという順番で十分です。

驚く涼子先輩
え、まだ聞くの?

相談する前に、整理しておく3つ

相談は、準備で結果が変わります。この3つを紙に書いてから行ってください。

整理 1

何が起きたか

日付と事実だけ。「たぶん」「〜だと思う」は分けて書きます。

整理 2

何を決めたいか

相談のゴール。「どうしたらいいですか」ではなく「AとBのどちらか」の形に。

整理 3

自分はどうしたいか

いちばん抜けるところです。希望がないと、相手も答えようがありません。

特に3つめが大事です。「どうしたらいいですか」と丸投げすると、 一般論しか返ってきません。 「本当はこうしたいのですが、可能でしょうか」と聞けば、具体的な答えが返ってきます。

これは第1話でお伝えした、ご家族への相談のしかたと同じ構造です。 先に自分の案を持っていくと、話が具体的になります

同業に相談するときの、ひとつだけの注意

同業のつながりは心強いものですが、ひとつだけ気をつけたいことがあります。

聞いていいこと

  • 技術・材料・道具のこと
  • 手順や段取りの工夫
  • 「こういうときどうしてる?」という一般的な相談

気をつけたいこと

  • お客様が特定できる話し方をしない
  • ほかのサロンの価格をそのまま真似しない
  • 愚痴だけの場に長くいない

とくに1つめです。お客様の話は、状況だけを切り出して、人物が分からない形にしてください。 自宅サロンは地域が近いことが多く、思っている以上に特定されやすいものです。

お金を払って頼むかどうかの、決め方

相談だけでなく、作業そのものを人に頼むかどうかで迷う場面もあります。 経理、ホームページ、写真の加工、予約システムの設定。

判断のしかたは、ひとつだけです。

その作業にかかる時間で、施術が何件できるかを数える。
自分の時間には、ちゃんと値段がついています。ひとりでやっていると、そこが見えなくなります。

たとえば、ホームページの直し方を調べるのに10時間かかったとします。 その10時間で施術が2〜3件できるなら、失っているのは10時間ではなく、2〜3件分の売上です。 外注費がそれを下回るなら、頼んだほうが手元に残ります。

人に頼みやすいこと

  • やり方を覚えても、次に使うのが半年後のこと
  • 調べる時間が読めないこと
  • 間違えると、あとで直すのが大変なこと

自分でやったほうがいいこと

  • 毎週くり返すこと(覚えたぶんだけ楽になります)
  • お客様との、直接のやりとり
  • お店の方針を決めること

ひとつ気をつけたいのは、全部を任せないことです。 お店の方針だけは、人に決めてもらわないでください。 そこを手放すと、自分の店ではなくなっていきます。

頼むのは作業であって、判断ではありません。 決めるのは自分。手は借りていい。この線が引けていれば、迷わなくなります。

ひとりで抱え込んでいるときの、5つのサイン

自分では気づきにくいので、目安を挙げておきます。

こんな状態なら、誰かに話してください
  • 同じことを、3日以上考え続けている
  • お客様からの連絡を見るのが、こわい
  • 予約が入ると、うれしいより先に身構える
  • 眠れない日が続いている
  • やめたほうがいいのかも、と何度も思う

ひとつでも当てはまるなら、内容が何であれ、まず人に話してください。 解決策より先に、話す相手が要ります

ひとりサロンの、よくある質問

相談できる同業の知り合いがいません。
無理に作る必要はありません。 公的な窓口と、専門の業者だけで、実務のほとんどは足ります。 気持ちの部分は、業種の違う友人やご家族のほうが話しやすいこともあります。
以前の勤務先に聞くのは、気が引けます。
技術や材料のことであれば、聞かれて嫌がる方は少ないと思います。 ただ、集客や価格の相談は、競合の話になるので避けたほうが無難です。 相手の立場になったときに答えづらいことは、聞かないのが礼儀です。
税理士に頼むのは、規模的に早いでしょうか。
判断はご状況によりますが、確定申告に何日もかかっているなら、 一度相談してみる価値はあります。 その日数を施術に使った場合の金額と比べてみてください。 青色申告会など、費用を抑えられる選択肢もあります。
身の危険を感じることがありました。
迷わず警察にご相談ください。緊急でない場合は #9110 という相談番号もあります。 自宅で仕事をしている以上、ここは我慢する場面ではありません。 予約の受け方や住所の出し方も、あわせて見直してください。
相談したら、否定されそうでこわいです。
合わないと感じたら、相手を変えて構いません。 相談先は、一度で決めなくていいものです。 否定されたのではなく、相性が合わなかっただけ、と考えてください。

トラブル編で、決めてきたこと

最後に、ここまでの5つを並べておきます。 どれも「性格を直す」話ではなく、性格に合う仕組みを選ぶ話でした。

場面選んだこと
連絡が来た直後その場で答えない。期限を切って持ち帰る
お直しを求められた口で言わず、メニュー表に書いておく
爪に異変があった損得で決めず、受診をお勧めする
ご近所から声をかけられた隠さず、その場で全部話す
困って動けなくなった抱えずに、決まった相談先へ持っていく

共通しているのは、その場で言わなくて済むようにしてあることです。 言いにくいことを言う練習をするより、言う場面そのものを減らすほうが、はるかに現実的でした。

ひとりでやっていると、自分の性格が弱点に見えてきます。 でも、直さなくていいのです。合う形を選べば、それで店は回ります。

理由を話すみさきと、納得する涼子先輩
ひとりで店をやると決めただけで、ひとりで抱えるとは決めてないので。
トラブル編 完結

ひとりで、やらなくていい。

お直しの線引き、爪の異変、ご近所とのこと。
どれも、ひとりで抱えなくていいことばかりでした。
次はリピート編。来てくださった方に、また来ていただくための話です。

シリーズの目次を見る
ネイルサロン専門

抱えなくていいことは、任せてください。

ホームページも、Googleマップも、書いておけば言わずに済む仕組みも。 ネイルサロン専門で、ひとりでやっていく土台づくりをお手伝いします。

サービスを見る

※この記事は物語シリーズ「ひとりネイルサロン|みさきの物語」の解説記事です。 登場人物はすべてフィクションであり、実在しません。提供:WebエンジンPro(株式会社MASA)
※記載の相談先は一般的な例です。取り扱う内容や受付の方法は窓口により異なりますので、 詳細は各機関にご確認ください。税務・法務・衛生に関する最終的な判断は、 それぞれの専門家や所管の機関にご相談ください。
※爪や皮膚に異常が見られる場合は医療機関を、身の危険を感じる場合は警察にご相談ください。

🔥 60日間無料で始める →