ネイルのお直しはどこまで無料?|保証期間の決め方と伝え方の文例

第2話 お直しは、どこまで|ひとりネイルサロン みさきの物語
トラブル編 第2話

「3日で取れちゃったんですけど」。この一言に、毎回ゼロから悩んでいませんか。 無料でやり直すべきなのか、それとも生活のせいなのか—— 判断がその都度ぶれると、お客様ごとに違う対応になってしまいます。 この記事では、お直しの線をどこに引くか、そのまま使える文例までまとめます。

この記事の要点
  1. もめる原因は技術ではなく、基準を先に決めていないこと
  2. 決めるのは「期間・範囲・料金」の3つだけでいい
  3. 基準はメニュー表に書いて、口で言わずに済む状態にする
あるある、ありませんか
  • お直しを頼まれるたび、無料にするか毎回悩んでいる
  • あの人には無料、この人には有料。基準が自分でも曖昧
  • 「有料です」と言えず、結局いつも無料で直している
  • 自分の技術が悪かったのかと、そのたびに落ち込む
  • お直しの予約で、本来の予約枠が埋まってしまう

お直しは、ネイルの仕事につきものです。 なくすものではなく、あらかじめ組み込んでおくものと考えてください。

ネイルのお直しでもめるのは、技術ではなく「基準がない」から

「3日で取れた」と言われると、まず自分の技術を疑ってしまう方が多いと思います。 もちろん原因がこちらにあることもありますが、もめるかどうかは、それとは別の話です。

もめるのは、基準が決まっていないからです。 決まっていないと、その場の空気で決めることになります。 そして空気で決めた対応は、次のお客様に説明できません。

基準がないとき

  • 言いやすい人には有料、言いにくい人には無料
  • その日の気分と疲れで判断が変わる
  • 「前は無料だったのに」と言われる

基準があるとき

  • 誰にでも同じ答えになる
  • 迷う時間がゼロになる
  • 断っているのではなく、決まりを伝えている形になる

ここがいちばん大事なところです。 基準があると、断る場面そのものが消えます。 言いにくいことを言う勇気ではなく、言わなくて済む仕組みのほうを用意します。

お直しの連絡を見て考え込むみさき
無料にするか、有料にするか。毎回、ゼロから悩んでいた。

ジェルネイルが取れる原因を、症状から切り分ける

基準を決める前に、そもそも何が起きているのかを整理しておきます。 ひとくちに「取れた」と言っても、症状によって考えられる原因は違います

症状主に考えられることどちら寄りか
2〜3日で全体が浮いた前処理・サンディング・油分除去こちら側
根元から1本だけ浮いた甘皮の被り、自爪の状態半々
先端が欠けた・折れた水仕事、爪を道具にする癖生活側
ストーンやパーツが取れた接着面の広さ、厚みのバランス半々
2週間以降に浮いてきた爪が伸びたことによる自然な現象どちらでもない

ジェルが浮く・剥がれるとき

施術から2〜3日で全体が浮く場合は、前処理の工程を見直す価値があります。 一方で、根元から1本だけという場合は、その日の爪の状態によることもあります。

欠ける・折れる・パーツが取れるとき

先端の欠けや折れは、生活のなかで起きていることがほとんどです。 ここを無料の対象にするかどうかが、基準づくりのいちばんの分かれ目になります。

この表を持っておくと、反射的に自分を責めなくて済みます。 そして同時に、こちら側の原因だったときには、迷わず引き受けられるようになります。

原因の切り分けは、責任のなすりつけ合いのためではありません。
同じことが起きないように、次の施術で何を変えるかを決めるためのものです。

お直しの基準は「期間・範囲・料金」の3つで決まる

お直しの基準は、複雑にする必要がありません。 期間・範囲・料金。この3つを決めれば、ほぼすべての場面に答えが出ます。

決める 1

期間

いつまでを無料にするか。施術日を含む3日間ほどを目安にする例が多いようです。

決める 2

範囲

何を無料にするか。浮き・剥がれは対象、ぶつけて欠けた場合は対象外、など。

決める 3

料金

期間や範囲を外れたときの金額。1本いくら、という形が伝えやすい形です。

金額の相場は、亀裂の補修で1本あたり数百円から、 あるいは施術料金の1割程度を目安とする例が見られます。 ただし地域やメニュー構成によって幅がありますので、ご自身の価格に合わせてご判断ください

メニュー表・予約フォームへの書き方の例

決めたら、必ず文字にしてお客様が見える場所に置きます。 メニュー表、予約フォームの確認事項、LINEの自動応答。どこでも構いません。

【お直しについて】
施術日を含む3日以内の浮き・剥がれは、無料でお直しいたします。
それ以降、または欠け・折れ・パーツの紛失については、1本◯◯円を頂戴しております。
ご来店が難しい場合は、次回のご予約時にあわせて承ります。

この3行があるだけで、その場で言わなくて済むようになります。 お客様も、聞く前に自分で分かります。

驚く涼子先輩
え、それでよかったの?

お直しを無料にするとき・有料で案内するときの伝え方

基準を決めても、伝え方でつまずくことがあります。 場面ごとの言い方を、3つ用意しておきます。

保証期間内で、こちらに原因があるとき

お知らせいただきありがとうございます。ご不便をおかけしました。 無料でお直しいたしますので、ご都合のよい日をお知らせください。

条件をつけないこと。ここで「本来は」「今回だけは」と足すと、 せっかくの対応が値引きされてしまいます。

保証期間内だが、生活が原因と思われるとき

今回は無料でお直しいたしますね。 なお3日目以降のお直しは1本◯◯円を頂戴しております。 次回のご予約のときに、あらためてご案内いたします。

無料にしつつ、基準は伝えています。「今回は」と言えているので、次から線が引けます。 原因を問い詰める必要はありません。

保証期間を過ぎているときの、断り方と案内のしかた

言いにくくなる言い方

  • 「すみません、3日を過ぎてしまっているので……」
  • 「本来なら有料なんですが」
  • 「ちょっと難しくて」

言いやすくなる言い方

  • 「3日目以降のお直しは1本◯◯円で承っております」
  • 「ご予約はこちらから承れます」
  • 「次回のご予約とあわせることもできます」

違いは、謝っているか、案内しているかです。 決まっていることを伝えるだけなので、謝る必要はありません。 謝ると「交渉の余地がある」と受け取られることがあります。

決めた表情のみさき
言えなくていい。書いてあれば、それで済む。

お直しを減らす、施術中と施術後のひと言

ここまでは、起きたあとの話でした。最後に、起きる前にできることを書いておきます。

お直しの連絡の多くは、施術中のわずかな会話で減らせます。 むずかしい説明ではありません。気づいたことを、その場で一度だけ口に出しておくだけです。

気づいたら、その場で伝える

  • 「お仕事で水を使われますか」——聞いておくと、もちの説明につながります
  • 「今日は爪が少しやわらかいので、いつもより短めにしますね」
  • 「この長さだと、引っかけやすいかもしれません」
  • 「ストーンは、ぶつけると取れることがあります」

言わずに済ませると

  • 取れたときに、すべてが技術の問題として扱われる
  • こちらも、原因を説明する言葉を持てない
  • お客様も、防ぎようがない

大切なのは、言い訳ではなく予告として言うことです。 取れたあとに「水仕事が多いとおっしゃっていたので」と言うと言い訳になりますが、 施術中に言っておけば、それは説明になります。同じ内容でも、順番が違うだけで受け取られ方が変わります。

お会計のときに、保証期間をもう一度伝える

施術が終わってお会計のとき、ひと言だけ添えておきます。

もし3日以内に浮いてきたら、遠慮なくご連絡ください。無料でお直しいたします。

これを言っておくと、二つの効果があります。 ひとつは、3日という基準を、こちらから先に伝えられること。 もうひとつは、連絡してもいいと分かるので、黙って離れていかれるのを防げることです。

お直しの連絡が来るのは、実はありがたいことでもあります。 何も言わずに来なくなる方のほうが、はるかに多いからです。

それでも納得いただけないとき|クレームに変わったら

基準を伝えても、受け入れていただけないことはあります。 そのときは、お直しの問題ではなく、トラブル対応の問題に変わります。

判断の流れは、 第1話「トラブルが起きた、最初の30分」 にまとめています。要点だけ書くと、こうなります。

この場合の考え方

  • その場で答えず、いったん持ち帰る
  • 説明していたかどうかを確認する
  • 説明不足なら、そこは詫びる
  • 伝えていたなら、損失額と信念の二軸で決める

ここでやらないこと

  • その場で無料に切り替える
  • 原因について言い合いになる
  • ほかのお客様の事例を持ち出す

ネイルのお直しに関するよくある質問

無料の期間は、何日にするのが正解ですか。
正解はありません。施術日を含む3日間とする例をよく見かけますが、 ご自身の技術と、お客様層に合わせて決めてください。 大切なのは日数そのものより、決めて書いてあることです。
お直しの予約で、通常の枠が埋まってしまいます。
お直し用の枠を、週に1コマだけ先に確保しておく方法があります。 「お直しは水曜日の午前に承っております」と決めておくと、 枠を空けるかどうかで悩まなくて済みます
毎回お直しを求めてくる方がいます。
回数が続く場合は、原因がデザインや爪の状態にあることもあります。 次回の施術のときに、もちが良くなる方法をご提案する形で切り出してみてください。 お断りではなく、ご提案として持っていくほうが伝わります。
基準を作ると、お客様が離れませんか。
経験上、離れるとすればそれは基準ではなく、伝え方のほうです。 先に書いてあることは、あとから言われるより受け入れられます。 予約前に見える場所に置いてください。
爪や指に痛み・赤み・変色があると言われました。
これはお直しの話ではありません。 ご自身で判断せず、皮膚科の受診をお勧めしてください。 その場でお直しや返金の話に進めないことが、結果的にお客様のためになります。
PDF・無料・登録不要

お直しの基準と、そのまま使える文例

期間・範囲・料金の3つを埋めるだけ。メニュー表への書き方と、場面別の伝え方の文例をA4・1枚にまとめました。

ダウンロードする
第3話 今日は、塗りません
NEXT — EPISODE 03

今日は、塗りません

オフをして、みさきの手が止まった。この日、みさきは施術をしませんでした。

第3話を読む

※この記事は物語シリーズ「ひとりネイルサロン|みさきの物語」の解説記事です。 登場人物はすべてフィクションであり、実在しません。提供:WebエンジンPro(株式会社MASA)
※記載の日数・金額はいずれも一般的な目安であり、地域・メニュー・技術内容により異なります。 保証やお直しの条件は、ご自身の状況にあわせてご判断ください。
※爪や指に痛み・赤み・腫れ・変色などの異常が見られる場合は、自己判断をせず、 医療機関の受診をお勧めしてください。

🔥 60日間無料で始める →