年賀状に添える一言は?相手別の書き方と例文

第3話 年賀状に添える一言は?|みさきの、はじめての年賀状
みさきの、はじめての年賀状 第3話

印刷が終わった年賀状を前に、住所録を開きました。 ひとりずつ何を書き添えるか考えているうちに、3枚目で手が止まりました。 この記事では、年賀状に添える一言の型を相手別に整理し、例文と手順をまとめます。

この記事の要点
  1. 一言は、なくても失礼ではない。書くなら相手との「次」を書く
  2. 相手別に型を決めれば、考える時間がなくなる
  3. 避けたいのは、去年のことと、自分の近況だけで終わる書き方
こんなこと、ありませんか
  • 一言を書こうとして、住所録の前で手が止まる
  • 「今年もよろしく」以外に何を書けばいいか分からない
  • 上司と友人で、同じ一言でいいのか迷う
  • 全員に一言を書くのは無理だと思っている
  • 書いた一言が、なんだか事務的に見える

一言は、なくても失礼ではない

最初に書いておきます。 年賀状の一言は、なくても失礼ではありません。

印刷された賀詞とあいさつ文、差出人の名前があれば、年賀状として成立します。 一言は、そこに添えるものです。 全員に書けなければ、書ける相手にだけ書けば十分です。

ただ、一言があると、受け取った側の印象は変わります。 同じ印刷の年賀状でも、自分に向けた一行があるだけで「読んだ」という気持ちになるからです。

だから、書けるなら書く。書けないなら無理をしない。 その前提で、書き方を整理していきます。

はがきの上でペンを持ったまま止まっている手元
3枚目で、手が止まった。

書くなら「相手との次」を一言にする

何を書けばいいか迷うとき、基準を1つに絞ります。 その相手と、次にどう関わるかを書く、という基準です。

「昨年はお世話になりました」は、去年のことです。 「元気にしています」は、自分のことです。 どちらも悪くありませんが、それだけだと読んだ側に続きがありません。

一方、「今年こそ、ゆっくりお話しできる時間を作れたらと思います」は、次のことです。 読んだ相手は「じゃあ、春にでも」と思えます。

一言の基準は、「次」が入っているか。
これだけで、事務的な文になりません。

去年のことや自分の近況を書きたいなら、そのあとに「次」を一行足します。 それだけで一言が締まります。

相手別の一言の型

「次」を書くといっても、相手によって書ける「次」は違います。 相手を5つに分けて、型を決めておきます。

相手書く「次」
上司 仕事で教わりたいこと 本年もご指導のほど、よろしくお願いいたします
同僚 一緒にする仕事 今年も一緒に頑張りましょう。◯◯の件、また相談させてください
友人 会う約束 今年こそ会いたいね。春になったら連絡します
親戚 訪問や顔を見せること 今年は顔を見せに伺えたらと思っています
恩師 報告したいこと 近いうちに、その後のご報告に伺えたらと思っております

型を決めてしまえば、ひとりずつ考える必要がありません。 住所録に「上司」「友人」と印を付けておけば、 印を見て型を当てはめるだけで、一言が書けます。

そのまま使える例文

型を、実際の文にしたものです。 名前や出来事を入れ替えて使ってください。

1

上司へ

昨年は大変お世話になりました。本年もご指導のほど、よろしくお願いいたします。

2

同僚へ

昨年はありがとう。今年も一緒に頑張りましょう。

3

友人へ

なかなか会えないけれど、今年こそ会いたいね。暖かくなったら連絡します。

4

親戚へ

ご無沙汰しております。今年は顔を見せに伺えたらと思っています。皆さまお元気で。

5

恩師へ

ご無沙汰しております。近いうちに、その後のご報告に伺えましたら幸いです。

6

結婚を伝える相手へ

昨年入籍いたしました。ふたりでの新しい年を、どうぞよろしくお願いいたします。

長さは、1行から2行で十分です。 はがきの余白は狭く、3行を超えると字が小さくなって読みにくくなります。

避けたい書き方

一言で気をつけたいのは、内容よりも「言葉の選び方」です。 年賀状には、昔から避けるとされる言葉があります。

避けたい

  • 去る、失う、別れる、切れる、絶える(忌み言葉)
  • 「去年」(去るを避けて「昨年」「旧年」に)
  • 相手の不幸や病気に触れる
  • 自分の近況だけで終わる
  • 句読点を多用する(改まった年賀状では避ける慣習がある)

言い換え

  • 昨年、旧年
  • 「昨年はお世話になりました」
  • 相手の健康を願う一文
  • 「次」を一行足す
  • 読点を使うなら少なめに

忌み言葉は、知らずに使いやすいものです。 「去年」はとくに出やすいので、「昨年」に置き換えると決めておけば済みます。

句読点については、改まった年賀状では使わないという慣習があります。 ただ、友人や親戚あてで読みやすさを優先して使っても、失礼にはあたりません。 迷うなら、上司あてだけ句読点を外すという分け方で十分です。

書きやすくする手順

一言を全員分書くのに時間がかかるのは、 1枚ごとに「何を書くか」から考えているからです。 先に決めてしまえば、手は止まりません。

1

住所録に相手の種類を書く

上司、同僚、友人、親戚、恩師。5つのどれかを印にします。

2

種類ごとに一言を1つ決める

上の型を使います。5つの文が決まれば、9割はこれで済みます。

3

個別に書きたい相手だけ、別に文を作る

結婚を伝えたい相手、久しぶりの友人など、数人だけ個別にします。

4

同じ種類をまとめて書く

上司の分を続けて書き、次に友人の分。同じ文を続けて書くと速いです。

個別に書く相手は、多くても5人までにしておくと現実的です。 全員に個別の一言を書こうとすると、途中で止まります。

書き終えたはがきの束と、置かれたペンと湯のみ
型を決めたら、続けて書けた。

みさきの住所録

12月の日曜日、印刷の終わった年賀状を30枚、テーブルに並べました。 夫は自分の分を先に書き終えて、隣で本を読んでいます。

わたしは3枚目で止まりました。 大学の友人で、もう2年会っていません。 「元気?」だけでは寂しい気がして、でも長く書く余白もありません。

母に電話をすると、母は住所録の話をしました。

電話を耳にあてて、住所録の話をする母
「①型を決めて全員に書く、②数人だけ個別に書く、③一言はなしにする。どれにする?」 母さんは毎年、一言は書いてない相手のほうが多いわよ。書きたい人にだけ書けばいいの。どれでもいいのよ。

わたしは、その友人にだけ「春になったら会いに行くね」と書きました。 残りは、相手の種類ごとに決めた一言を、続けて書きました。 30枚が、1時間で終わりました。

手書きか、印刷か

一言は、手書きが基本です。 印刷されたあいさつ文の横に、同じ印刷で「今年もよろしく」と入れても、一言としては届きません。

ただし、字に自信がなくて書きたくない、という方もいます。 その場合は、印刷の文面に相手の名前を入れる方法があります。 「◯◯さん、今年もよろしくお願いします」と名前だけ差し込むだけでも、宛てて書いた印象になります。

手書きで書くときは、黒か濃紺のペンを使います。 薄い色や鉛筆は、改まった相手には避けます。 書き損じたら、修正液は使わず、新しいはがきに書き直します。

夕方、ペンにふたをして息をつくみさき
30枚が、1時間で終わった。
一言は、相手との「次」を書く。
書けない相手には、書かなくていい。

よくある質問

全員に一言を書かないと失礼ですか。
失礼ではありません。印刷だけの年賀状も年賀状として成立します。 書ける相手にだけ書き、無理に全員分を埋めなくて大丈夫です。
上司への一言で、避けたほうがいい言葉はありますか。
「去年」「失敗」「別れ」などの忌み言葉と、砕けすぎた言葉です。 「本年もご指導のほど、よろしくお願いいたします」の型を使えば、大きく外れません。
一言はどこに書けばいいですか。
通信面(絵柄や賀詞のある面)の余白です。賀詞の下か、差出人の横が一般的です。 宛名面には書かないほうがすっきりします。
結婚したことを一言で伝えてもいいですか。
構いません。「昨年入籍いたしました。ふたりでの新しい年をよろしくお願いいたします」のように、事実と「次」を一行ずつにすると収まりがいいです。
印刷の文面に「一言」を入れてもいいですか。
入れても構いませんが、それは一言ではなく本文の一部として読まれます。 相手の名前を差し込むと、印刷でも宛てて書いた印象になります。
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※この記事は物語シリーズ「みさきの、はじめての年賀状」の1話です。 登場人物はすべてフィクションであり、実在しません。 提供:WebエンジンPro(株式会社MASA)
※記載の内容は一般的な情報をもとにまとめたものです。 作法や慣習は、地域・家庭・宗派によって異なります。 ご家族と相談のうえ、ご判断ください。

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