花嫁の手紙を読む場がないとき、親への感謝はどう伝える?

夜の机で、白い便箋とペンを前に、あごに手をあてて考えている女性
みさきの、結婚式をしない選択 第4話

式をしないと決めたあとで、ひとつだけ心に残ったことがありました。 親への手紙を読む場が、なくなることです。 この記事では、花嫁の手紙を読む場がないときに、感謝をどう伝えるかをまとめます。

この記事の要点
  1. 手紙は式のためのものではない。場がなくても書ける
  2. 書くのは具体的な思い出を1つと、ありがとうの一言
  3. 渡し方は4つ。写真と一緒だと、読み返してもらえる
こんなこと、ありませんか
  • 式をしないので、手紙を読む場がない
  • 書きたい気持ちはあるが、渡すきっかけがない
  • 面と向かって読むのは照れくさい
  • 何を書けばいいか分からない
  • 父と母、それぞれに書くべきか迷う

手紙は、式のためのものではない

披露宴の終わりに親への手紙を読む場面は、式の中でいちばん泣く人が多いところです。 ただ、あれは手紙を読む場であって、手紙そのものは式とは関係ありません。

場がないなら、渡し方を変えればいいだけです。 読み上げない手紙は、読み返してもらえるという利点もあります。

読む場がないことと、
書かない理由は、別のことです。
机の上に並べた白い便箋と無地の封筒、万年筆

何を書くか

長く書こうとすると、書けなくなります。 入れるのは、次の3つだけで足ります。

1

具体的な思い出を1つ

「毎朝、髪を結んでくれたこと」。場面がひとつあると、手紙は一気に本物になります。

2

ありがとうの一言

飾らなくて構いません。「ありがとう」の4文字で十分です。

3

これからのこと

「ふたりで、ちゃんとやっていく」。親がいちばん聞きたいのは、ここかもしれません。

やってしまいがちなのが、全部の思い出を書こうとすることです。 書ききれずに途中でやめてしまうくらいなら、ひとつだけにしてください。

「いろいろありがとう」より、ひとつの場面

同じ感謝でも、伝わり方がまるで違います。

書き方どう届くか
いろいろありがとう 気持ちは伝わるが、記憶には残りにくい
育ててくれてありがとう 少し近づく。まだ一般的
受験の前の晩、夜食を作ってくれてありがとう その場面ごと思い出す。いちばん長く残る

思い出が出てこないときは、台所・車の中・病気のときを思い返してください。 たいてい、このどれかに1つあります。

便箋は1枚で構いません。 2枚目に入ると、たいてい同じことを言い換えているだけになります。

父へ、母へ、分けて書くか

分けても、1通でも構いません。 迷ったら、1通に両方の名前を書いて、それぞれに一行ずつ入れる形が書きやすいです。

  • 母へ:毎日のこと(食事・送り迎え・話を聞いてくれたこと)
  • 父へ:言葉数の少なかった場面(黙って送ってくれた、何も言わずにいてくれた)

父親への一行は、短いほど届きます。 「いろいろ言ったけど、感謝してる」。これで十分です。

書く前に迷うのは、たいてい「重くなりすぎないか」です。 重くなるのは、長く書いたときだけです。 短い手紙が重く感じられることは、ほとんどありません。

いつ渡すか

場がないぶん、日を自分で決めることになります。

1

実家を出る日

いちばん自然です。荷物を運び出したあと、玄関で渡します。

2

入籍の日

報告に立ち寄ったとき。「これ、あとで読んで」と置いてきます。

3

写真を撮った日

写真を渡すときに一緒に。式をしない人には、この形が多いです。

4

親の誕生日

焦らず書けます。式の時期を過ぎても構いません。

渡す日を決めないと、たいてい書き終わりません。 先に日を決めて、そこから逆算してください。

渡し方は4つ

読み上げないなら、形を選べます。

渡し方よいところ気になるところ
便箋の手紙 手書きの温かさ。確実に届く 写真は入れにくい。しまい込まれて読み返されないことも
LINEで送る その日のうちに送れる。照れくさくない ほかのやりとりに流れて、あとから探せない
動画・スライド 写真と音で伝わりやすい 作る手間がかかる。親が再生しにくいことがある
写真とことばのページ 写真と言葉を1つにまとめられる。スマホで何度でも開ける 自分で作ると手間。頼むと費用がかかる

親の年齢と、ふだん何を使っているかで選んでください。 開けない形で渡すと、届きません。

書き出せないときの、3行法

いちばん多いのは、「お母さんへ」の次で止まることです。 そういうときは、順番を変えます。

1

思い出をひとつ書く

「毎朝、髪を結んでくれた」。まず、これだけを紙に書きます。

2

そのときの気持ちを1行足す

「あれが当たり前だと思っていました」。

3

最後にありがとうを置く

「ありがとう」。ここで終わって構いません。

4

書き出しは、最後に足す

「お母さんへ」は、いちばん最後に書けば止まりません。

3行でできた手紙は、短すぎるように見えます。 けれど、読む側にとっては、長さより場面の具体さのほうが効きます。

書く時間は、作らないと取れない

手紙は、時間が空いたら書こうと思っているうちは書けません。

  • 渡す日を先に決める
  • その1週間前の夜を、1時間だけ空ける
  • 便箋と封筒を先に買っておく(これがいちばん効きます)

便箋を買った日から、書き始めるまでが早くなります。 道具を先に用意するのは、手紙にもあてはまります。

白い便箋を折って無地の封筒に入れる女性の手元

相手が受け取りやすい形を選ぶ

同じ手紙でも、渡し方で残り方が変わります。 迷ったら、親がふだん何を使っているかで決めてください。

  • スマホをよく使う親:写真と一緒に見られる形が向いています
  • 紙のものを大事にする親:便箋がいちばん喜ばれます
  • 照れくさがる親:置いてくる、送る、のほうが受け取りやすいです

どれを選んでも、中身は変わりません。 形で迷って書かないより、書いてから形を決めるほうが早いです。

読み上げたいなら、場を作ってもいい

どうしても読みたい人もいます。 その場合は、食事会の最後に1分だけという形があります。

  • 立ち上がらない。座ったまま、手元で読む
  • 長さは、便箋1枚まで
  • 泣いてもいい。途中で止まっても、誰も困りません

式をしないからといって、読む場を作ってはいけないわけではありません。

相手の親にも書くか

書かなくて構いません。 ただ、写真を渡すときに一言だけ添えると、受け取り方が変わります。

「これからよろしくお願いします」。この一行で十分です。 義理の親への長い手紙は、かえって気をつかわせることがあります。

みさきの2月

写真を撮る日が決まってから、手紙のことを思い出しました。

書き始めて、最初の一行で止まりました。 「お母さんへ」のあとが、出てこないのです。

母の思い出を探していて、ふと、毎朝髪を結んでもらっていたことを思い出しました。 その一行を書いたら、あとは続きました。

夫は書かないと言いました。 代わりに、義母に電話をしていました。それもいいのだと思います。

電話口で、少し目をうるませながらおだやかにほほえむ母
「①便箋で渡す、②写真と一緒に、③口で言う。どれにする?」 母さんは、あなたの字が見たいと思うわ。でも、どれでもいいのよ。

わたしは便箋に書いて、写真を渡す日に一緒に置いてきました。

封をした無地の封筒をテーブルに置き、その上に手を添える女性
場がなくても、手紙は書ける。
思い出をひとつ、それだけでいい。

よくある質問

式をしないのに、手紙を書くのは大げさですか。
大げさではありません。読む場がないだけで、手紙そのものは式と関係ありません。 渡す日を自分で決められるぶん、落ち着いて書けます。
何を書けばいいか、まったく浮かびません。
台所・車の中・病気のとき、のどれかを思い返してください。たいてい、ひとつ場面が出てきます。
父と母、別々に書くべきですか。
1通でも構いません。その場合は、それぞれに一行ずつ入れると、どちらにも届きます。
LINEで送るのは失礼ですか。
失礼ではありません。ただ、あとから探しにくいので、残しておきたい言葉は別の形にするのがおすすめです。
渡すのが照れくさいです。
「あとで読んで」と置いてくる形で構いません。目の前で読まれないほうが、書くほうも楽です。
残しておく

写真とそのときのことばを、1つのページに

式をしない日にも、写真は残ります。子どものころの1枚と、その日のことばをまとめておけます。

写真を送っていただくだけで、こちらでお作りします。29,800円(税込・買い切り)。公開の期限はありません。

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職場に、友人に、遠くの親戚に。LINEで送れる手紙にする方法もあります。

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※この記事は物語シリーズ「みさきの、結婚式をしない選択」の1話です。 登場人物はすべてフィクションであり、実在しません。 提供:WebエンジンPro(株式会社MASA)
※記載の内容は一般的な情報をもとにまとめたものです。 作法や慣習は、地域・家庭・宗派によって異なります。 ご家族と相談のうえ、ご判断ください。

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