婚姻届の書き方|上から順に、迷いやすい欄だけ見ていく

夜の食卓で、傾けて置いた白い紙にペンを持つ手を添え、集中している女性
みさきの、はじめての婚姻届 第2話

10月のはじめ、もらってきた婚姻届を食卓に広げました。 書ける欄はすぐ埋まり、書けない欄でぴたりと止まりました。 この記事では、婚姻届の書き方を用紙の上から順に見て、止まりやすい欄だけをていねいに説明します。

この記事の要点
  1. 書く内容は、戸籍と住民票に書いてあるとおりが基本
  2. 迷うのは本籍・父母の続き柄・新しい本籍の3つ
  3. 押印は任意。空欄のままでも受け付けられる
こんなこと、ありませんか
  • 用紙を広げたものの、どこから書けばいいのか分からない
  • 本籍と住所の違いがはっきりしない
  • 父母の氏名を、どこまで正確に書くのか迷う
  • 新しい本籍をどこにすればいいのか決まらない
  • 印鑑がいるのか、いらないのか分からない

用紙は、左がふたり・右下が証人

婚姻届は1枚の紙です。 左半分から中央がふたりのこと、右下が証人の欄、いちばん下に届出人の署名があります。

1

鉛筆で下書きしない

消し跡が残ると読みにくくなります。書けるところから黒のボールペンで書きます。

2

分からない欄は空けておく

全部を一度に埋めなくて構いません。調べてから戻ってきます。

3

証人の欄は最後でいい

ふたりの欄が固まってから、証人にお願いします。

4

予備を1枚もらっておく

書き直しになったときに、その日のうちに出せます。

何も書かれていない白い紙の上に置かれた黒いボールペンの接写

氏名と生年月日は、戸籍のとおりに

名前は、戸籍に書かれている字で書きます。 日ごろ新しい字体を使っていても、戸籍が旧字体なら旧字体のまま書き写します。

自分の戸籍の字が分からないときは、戸籍全部事項証明書(戸籍謄本)を見るか、 本籍入りの住民票を取ると確かめられます。

生年月日は元号でも西暦でも、用紙の記載に合わせて書きます。

住所と世帯主は、住民票のとおりに

住所欄に書くのは、住民票に載っている住所です。 いま住んでいる場所と住民票が違う人は、住民票のほうを書きます。

欄書くもの
住所 住民票のとおり。アパート名・部屋番号も住民票に合わせる
世帯主の氏名 その住所の世帯主。ひとり暮らしなら自分の名前

引っ越しの予定が重なっているときの書き方は、住所と世帯主の回でまとめています。

本籍と筆頭者は、調べてから書く

本籍は、住所とは別のものです。 戸籍が置いてある場所で、住んだことのない土地であることもあります。

筆頭者は、その戸籍のいちばん上に書かれている人です。 多くの場合、父または母です。

本籍が分からないときは、
本籍入りの住民票を取れば分かります。

親に聞くのがいちばん早いこともあります。 番地まで正確に書く欄なので、記憶ではなく、書類で確かめてください。

父母の氏名と続き柄

父母の欄には、ふたりそれぞれの実の父母の氏名を書きます。 母の氏は、父と同じであれば名前だけを書く形が一般的です。

続き柄は「長男」「長女」「二男」「二女」のように書きます。 数字の書き方(二男か次男か)は用紙の例に合わせます。

離婚・再婚・死別があるときの書き方は、父母の氏名の回に分けました。 なお、令和3年9月1日からの様式では、父母欄に加えて養父母欄が設けられています(法務省)。

婚姻後の夫婦の氏と、新しい本籍

ここが、書く前に話し合っておきたい欄です。

1

夫の氏・妻の氏

どちらかにチェックを入れます。選んだほうの人が、新しい戸籍の筆頭者になります。

2

新しい本籍

ふたりの新しい戸籍を置く場所です。住むところ、どちらかの実家、思い出の場所のいずれでも構いません。

新しい本籍は、あとで戸籍の証明書を取るときに関わります。 ただ、いまは本籍地以外の窓口でも戸籍証明書を請求できるようになりました(広域交付・令和6年3月1日から)。 取りやすさで深く悩まなくて大丈夫です。

同居を始めたときと、仕事の欄

「同居を始めたとき」は、一緒に住み始めた年月を書きます。 結婚式を挙げた月と、同居を始めた月のうち、早いほうを書く形です。 まだどちらもなければ、空欄のままで構いません。

仕事の欄は、国の統計に使われる項目です。 選択肢から当てはまるものを選び、職業は届出の年によって記入を求められることがあります。 分からなければ、窓口で聞けば教えてもらえます。

署名と押印。印鑑はいらない

いちばん下の届出人の欄に、ふたりがそれぞれ自分で署名します。

押印は、令和3年9月1日から義務ではなくなりました。 届出人の意向で任意に押すことはできる、という扱いです(法務省「戸籍届書の様式変更について」)。 つまり、印鑑を押さずに出しても受け付けられます。

ただし、書き間違えたときの直し方は押印の有無で変わります。 書き間違えたときの回を先に読んでおくと安心です。

テーブルの上の白い紙を指さす男性の手と、ペンを持つ女性の手

いちばん上の「届出日」と、あて名の欄

用紙の右上には、届出の日を書く欄と、「◯◯市長 殿」のようなあて名の欄があります。

届出日は、窓口に出す日を書きます。書いた日ではありません。 出す日が決まっていなければ、空けておいて、当日に書いても構いません。

あて名は、出す役所の長の名前です。 「東京都◯◯区長 殿」「◯◯市長 殿」「◯◯町長 殿」のように、市区町村の種類に合わせて書きます。 ここも、出す役所が変わる可能性があるうちは、空けておいて当日に書くほうが安全です。

出す日と、出す役所が決まってから書く欄が、
用紙の上にもあります。

窓口では、書き漏れがあればその場で教えてもらえます。 空欄のまま持っていって、窓口で埋めるのは、よくあることです。

書き終えたら、出す前に見るところ

見るところ確かめ方
名前の字 戸籍の字と同じか。旧字体をそのまま書いたか
本籍の番地 書類を見ながら、もう一度読み合わせる
証人の欄 2人分あるか。生年月日と住所、本籍が埋まっているか
チェック欄 婚姻後の氏、新しい本籍に書き漏れがないか

読み合わせは、ふたりで声に出してやると早く終わります。

書けない欄は、空けておいていい

全部の欄が埋まっていないと出せない、ということはありません。 届出日やあて名の欄のように、当日に書けばいいものもあります。

分からない欄を無理に埋めると、直す手間のほうが大きくなります。 空けたまま持っていって、窓口で聞くのが、いちばん早いことも多いです。

みさきの10月

用紙を広げて30分で、書ける欄は全部埋まりました。 残ったのは、本籍と、新しい本籍と、父母の続き柄です。

わたしは本籍を知りませんでした。 母に電話で聞くと、番地まですらすらと答えたので驚きました。 夫は分からず、翌日に住民票を本籍入りで取りに行きました。

新しい本籍は、ふたりでいちばん長く話しました。 夫の実家、わたしの実家、これから住む部屋。どれにも理由がありました。

自宅のテーブルで電話に出て、さらりと答える母
「①住むところ、②どちらかの実家、③思い出の場所。どれにする?」 母さんたちは、父さんの実家にしたのよ。深い理由はなかったわ。どれでもいいのよ。

わたしたちは、これから住む部屋の住所にしました。

書き終えてペンを置き、折りたたんだ紙の横で静かに息をつく女性
書くのは、戸籍と住民票に書いてあること。
迷う欄は3つだけ。調べれば埋まる。

よくある質問

鉛筆で下書きしてもいいですか。
消し跡が残りやすいので、おすすめしません。黒のボールペンで、書けるところから書いてください。 書き損じが心配なら、用紙をもう1枚もらっておくほうが確実です。
印鑑は必要ですか。
必要ありません。戸籍届書への押印義務は令和3年9月1日から廃止され、任意になりました(法務省)。 押したい場合は押しても構いません。
旧字体の名前は、新しい字で書いてもいいですか。
戸籍のとおりに書くのが基本です。字が分からないときは、戸籍謄本や本籍入りの住民票で確かめてください。
「同居を始めたとき」が、まだありません。
まだ同居も式もしていなければ、空欄で構いません。あとから記入を求められることはありません。
新しい本籍は、あとから変えられますか。
転籍という手続きで変えられます。ただし手間はかかるので、書く前にふたりで一度話しておくほうが楽です。
その日から

ふたりの記録を、1つのページに

入籍の日の写真と、そのときのことばを、まとめておけます。

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報告は

入籍のお知らせを、1枚にして送る

職場に、友人に、遠くの親戚に。LINEで送れる手紙にする方法もあります。

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※この記事は物語シリーズ「みさきの、はじめての婚姻届」の1話です。 登場人物はすべてフィクションであり、実在しません。 提供:WebエンジンPro(株式会社MASA)
※記載の内容は一般的な情報をもとにまとめたものです。 作法や慣習は、地域・家庭・宗派によって異なります。 ご家族と相談のうえ、ご判断ください。

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