父母の欄まで来て、手が止まりました。 わたしの家のことは書けます。けれど、夫の家のことは、わたしは知りませんでした。 この記事では、婚姻届の父母の氏名と続き柄の書き方を、家の事情がいろいろある前提でまとめます。
- 父母欄に書くのは、実の父母の氏名。亡くなっていても書く
- 母の氏は、父と同じなら名前だけでよい
- 離婚・再婚・死別でも、書き方は大きく変わらない
- 父母の欄に、どこまで書くのか分からない
- 母の名字を書くのかどうかで迷っている
- 両親が離婚していて、どう書けばいいか分からない
- 父母のどちらかが亡くなっている
- 相手の家の事情を、どう聞けばいいか困っている
父母欄に書くのは、実の父母の氏名
父母の欄には、ふたりそれぞれの実の父母の氏名を書きます。 いま一緒に暮らしているかどうかや、生きているかどうかは関係ありません。
戸籍に記載されている父母の氏名を、そのまま書き写します。 分からないときは、戸籍全部事項証明書(戸籍謄本)を見れば確かめられます。
母の氏は、父と同じなら名前だけ
母の欄は、父と氏(名字)が同じであれば、名前だけを書くのが一般的な書き方です。 用紙にも、そのように案内が書かれています。
父母が離婚して母の氏が変わっているときや、 もともと氏が違うときは、氏名(名字と名前)を書きます。
迷ったら、氏名を書いておけば読み取れないことはありません。
続き柄の書き方
続き柄は、その父母から見たときの順番です。
| 立場 | 書き方 |
|---|---|
| 最初に生まれた男の子 | 長男 |
| 2番目に生まれた男の子 | 二男(用紙の例に合わせます) |
| 最初に生まれた女の子 | 長女 |
| 2番目に生まれた女の子 | 二女 |
戸籍では「二男」「二女」と書かれることが多く、 「次男」「次女」と書いても、そのまま受け付けられることがほとんどです。 戸籍の記載に合わせておけば確実です。
兄や姉が亡くなっている場合も、生まれた順で数えます。
両親が離婚しているとき
離婚していても、書くことは変わりません。 実の父と母の氏名を、両方書きます。
母の氏が変わっている
名前だけでなく、いまの氏名を書きます。
父と連絡がとれない
氏名が分かれば書けます。戸籍を見れば確かめられます。
親権者が母だけ
婚姻届の父母欄は、親権とは関係ありません。両方書きます。
再婚して、別の親がいる
実の父母を父母欄に、養子縁組をしていれば養父母欄に書きます。
婚姻届の父母欄は、いまの家族関係を書くところではなく、 戸籍のつながりを書くところです。だから、事情があっても書き方は同じになります。
再婚しているとき、養父母がいるとき
令和3年9月1日からの様式では、父母欄に加えて養父母欄が設けられています(法務省「戸籍届書の様式変更について」)。
養子縁組をしている場合は、実の父母を父母欄に、養父母を養父母欄に書きます。 養子縁組をしていない(母の再婚相手と縁組をしていない)場合は、養父母欄は空けたままです。
自分が養子縁組をしているかどうか分からないときは、戸籍を見れば分かります。 戸籍に「養父」「養母」の記載があれば、縁組をしています。
父母欄は、ふたりの家族の形がそのまま出るところです。 まわりと比べる必要はありません。
離婚していても、再婚していても、亡くなっていても、 婚姻届の書き方は変わらないというのは、少し救いのある決まりだと思いました。 どの家の事情も、同じ欄に同じように収まります。
父母が亡くなっているとき
亡くなっていても、氏名はそのまま書きます。 続き柄も同じように書きます。
用紙によっては、亡くなった年月を書く欄がないこともあります。 その場合は、氏名だけで構いません。
心の準備が要る欄です。 書けるときに書いておくと、当日に手が止まりません。
相手が話したがらないときは、理由があります。 そこを開けにいく必要は、この手続きにはありません。 必要なのは氏名と続き柄だけで、それ以上のことは書く欄がないのです。
わたしは、そのことを知ってから、ずいぶん気持ちが軽くなりました。 聞いているのは家の事情ではなく、紙の1行分だと分かったからです。
聞きにくいときの、聞き方
いちばん難しいのは、相手の家のことを聞くときです。
わたしは、こう聞きました。
お父さんとお母さんのお名前、戸籍のとおりに教えてくれる?」
事情を聞くのではなく、欄を埋めるために必要なことだけを聞く。 そう決めておくと、こちらも相手も楽になります。
答えにくそうなら、「戸籍を見れば分かるみたいだから、あとで一緒に見よう」と引きます。 急ぐ話ではありません。
養父母欄は、当てはまらなければ空欄のままで構いません。 欄があるからといって、何かを書かなければいけないわけではありません。
分からない部分があるまま、出せるか
父母の氏名が分からないまま持っていくこともできます。 窓口で相談すれば、書き方を教えてもらえます。
ただ、戸籍を1通見れば解決することがほとんどです。 本籍入りの住民票や戸籍全部事項証明書を先に取っておくと、その場で埋まります。
令和6年3月1日からは、本籍地以外の窓口でも戸籍証明書を請求できます(広域交付)。 遠くの本籍地まで行かなくても取れるようになりました。
筆頭者と、父母の欄は別のもの
婚姻届には、いまの戸籍の筆頭者を書く欄と、父母の氏名を書く欄があります。 この2つは、似ているようで別のものです。
| 欄 | 書くもの |
|---|---|
| 筆頭者 | いまの戸籍のいちばん上に書かれている人。多くは父または母 |
| 父母の氏名 | 実の父母の氏名。亡くなっていても書きます |
父が筆頭者で、父母欄にも父の名前が入る。 そう重なることが多いので、同じことを2回書いている気がして不安になりますが、それで合っています。
書いたら、戸籍と読み合わせる
父母欄は、字の間違いが起きやすいところです。 「斉」と「斎」、「辺」と「邊」のように、似た字が使われていることがあります。
書き終えたら、戸籍の記載と1文字ずつ読み合わせてください。 ふたりで、片方が読み上げ、片方が指でたどると早く終わります。
その場で直せば、数分です。 窓口で気づくと、待ち時間のなかで直すことになります。
みさきの10月
父母の欄で、夫の手が止まりました。
夫の両親は、夫が中学生のときに離婚しています。 父の名前を書くところで、少しだけ黙っていました。
わたしは「戸籍のとおりでいいみたいだよ」と言いました。 それ以上は聞きませんでした。 夫は、自分で電話をかけて、名字の字を確かめていました。
そのあと母に電話をしました。
夫は、戸籍を取りに行くことにしました。
事情があっても、書き方は変わらない。
よくある質問
ふたりの記録を、1つのページに
入籍の日の写真と、そのときのことばを、まとめておけます。
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入籍のお知らせを、1枚にして送る
職場に、友人に、遠くの親戚に。LINEで送れる手紙にする方法もあります。
※この記事は物語シリーズ「みさきの、はじめての婚姻届」の1話です。
登場人物はすべてフィクションであり、実在しません。
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※記載の内容は一般的な情報をもとにまとめたものです。
作法や慣習は、地域・家庭・宗派によって異なります。
ご家族と相談のうえ、ご判断ください。
