コロナ禍を、構造改革で乗り越えた中小ECの10年
「サイトさえ作れば、お客様が来てくれるはず」── そう信じて立ち上げた小さなECサイトが、広告依存の構造に苦しみ、コロナ禍で売上を激減させ、そして自然検索を主導とする構造へと作り変わるまでの10年。これは、株式会社MASAが運営する「MuuMuu Aloha」のリアルな記録です。
189%
自然検索流入 前年比
60,000
年間クリック数(自然検索)
10年
自社EC運営実績
会社概要
| 事業者名 | MuuMuu Aloha(株式会社MASA運営) |
|---|---|
| 業種 | リゾートウェディング向け衣装レンタル(EC) |
| 対応エリア | 全国通販(沖縄・ハワイ・グアム挙式向け) |
| 運営期間 | 10年(2015年〜) |
| 公式サイト | https://muumuualoha.com/ |
あの時、広告費が利益を食い尽くしていた
10年前、限られた資金を投じてリゾートウェディング向けの衣装レンタルEC「MuuMuu Aloha」を立ち上げました。「サイトさえ作れば、お客様が来てくれるはず」── そう思っていました。けれど現実は違いました。サイトを公開しても、検索しても出てこない。お客様は、ほとんど来ない。
唯一の集客手段は、Google広告でした。広告を出せば人が来る。広告を止めれば、誰も来ない。当時抱えていた課題は、おそらく多くの中小企業に共通するものです。
- 自然検索からの流入がほぼゼロ:検索しても自社サイトが表示されない
- 集客手段が広告だけ:Google広告以外の流入経路が育っていない
- 広告を止めれば集客もゼロ:止めた瞬間に売上が消える脆弱な構造
- 利益が手元に残らない:売上の大半が広告費に消え、再投資の余力が生まれない
仮の話として、考えてみてください
例えば、年商3,000万円の中小企業があるとします。広告費が売上の30%を占めているとすると、もし広告費を売上の10%まで下げられたら、利益はどう変わるでしょうか。
Before(広告費30%)
| 売上 | 3,000万円 |
| 広告費 | 900万円(30%) |
| その他経費 | 1,800万円 |
| 利益 | 300万円 |
After(広告費10%)
| 売上 | 3,000万円(同じ) |
| 広告費 | 300万円(10%) |
| その他経費 | 1,800万円(同じ) |
| 利益 | 900万円 |
もし広告費を20ポイント下げられたら、計算上、利益は
×3倍+600万円(年商3,000万円・他経費が同じ場合の試算例)
「そんなに上手くいくものか?」と思われるかもしれません。私自身、最初はそう思っていました。けれど、構造的にはこれは十分にあり得る話です。実際に、私の会社で起きたことを次にお話しします。
私の会社で、本当に起きたこと
MuuMuu Alohaの実例を、率直にお話しします。10年の歩みのうち、構造が大きく変わった4つの時点です。
ECサイト立ち上げ ── 広告依存の始まり
数十万円でECサイトを外注。自然検索ではほとんど集客できず、Google広告に頼る日々が始まりました。SEOを独学で学び、業者にも相談しましたが、返ってくる答えは「もっと広告費を使いましょう」ばかりでした。
コロナ前のピーク ── 売上6,000万円、しかし広告費25%
事業は順調に育ち、年商は約6,000万円に到達。ただし広告費は売上の25%、年間で約1,500万円が広告費に消えていました。「もっと広告を増やせば、もっと売上が伸びる」と信じていた時期です。
〜2022年
コロナ禍の3年間 ── 売上30〜40%まで激減
リゾートウェディング業界は壊滅的な打撃を受けました。海外旅行はできない、国内のリゾート婚も激減。当社の売上はコロナ前の30〜40%まで落ち込みました。「広告を増やしても、需要そのものが消えた状況では何も解決しない」── 広告依存の脆弱さが、危機の中で露呈しました。残された選択肢は、自社サイトでの集客基盤を作り直すこと。時間だけは、たっぷりありました。
構造改革の到達点 ── 同じ売上、まったく違う構造
5年後、売上はコロナ前と同水準の約6,000万円まで回復。ただし構造は大きく変わりました。広告費比率は15%まで下がり、自然検索からの流入は前年比189%、年間60,000クリックに到達。Google広告を止めても集客が続く構造に変わったのです。
実施した施策
2020年以降のサイト再構築期に、段階的に取り組んだ5つの施策です。最初の1ページを作るのに1ヶ月かかりました。けれど慣れてくると、1〜2週間で1ページを公開できるようになりました。
「目的」から逆算した情報設計
既存サイトを根本から見直し、「新郎新婦としてゲスト分をまとめて手配したい」「ゲストとして自分の衣装を選びたい」など、訪問者の目的別に導線を再構築。商品カタログだけのサイトから、「目的に合わせて道筋が見える」サイトへ作り変えました。
SEOを意識したコンテンツ制作
独学で習得したSEO知見をもとに、検索意図を起点とした記事構成のテンプレートを整備。タイトル・見出し・メタ情報・内部リンクのチェックリストを運用フローに組み込み、少人数チームでも継続して品質を保てる仕組みにしました。
「選ばれる理由」を伝えるコンテンツ作り
「なぜこの事業を始めたのか」「どんなお客様に喜ばれてきたのか」を語るブランドストーリーを整備。価格や条件だけで比較されない、選ばれる理由を伝えるコンテンツに刷新しました。
地域 × シーン軸のキーワード戦略
「沖縄 結婚式 ムームー」「ハワイ 挙式 衣装レンタル」など、地域とシーンを掛け合わせたロングテールキーワードを軸に展開。大手モールと真正面から競合しない領域で、自然検索の上位を狙いました。
継続的なコンテンツ追加(週次の運用フロー)
記事制作・公開・効果測定を週次のリズムに落とし込み、継続できる運用に。一度公開したページもキーワードや内部リンクを定期的に見直し、検索順位の変動に応じて改善し続けています。
成果
5年後、売上はコロナ前の水準まで戻りました。けれど、構造はまったく違うものになっています。広告に頼らずとも集客が続く ── その構造変化が、最大の成果です。
広告費比率の変化(売上に占める広告費の割合)
| 指標 | 2019年(コロナ前) | 2025年(現在) |
|---|---|---|
| 売上規模 | 約6,000万円 | 約6,000万円 |
| 広告費比率 | 25% | 15% |
| 年間広告費(換算) | 約1,500万円 | 約900万円 |
| 自然検索からの集客 | 低水準 | 年間60,000クリック・前年比189% |
- 自然検索流入:前年比189%(年間約60,000クリック)
- 広告費比率:25% → 15%(売上に対する比率)
- 売上規模:コロナ前と同水準まで完全回復(約6,000万円)
- 危機耐性:Google広告を止めても集客が続く構造に変化
「広告費は年間で約600万円減りました。これがそのまま、利益として残るようになったのです。自社サイトから来るお客様は、すでに当社のことを理解してくれているので、成約率も高い。コロナのような危機がもう一度起きても、今度は耐えられるという確信が持てました」
なぜ、自社サイトでの集客がカギなのか
ポータルサイトや広告に頼る集客と、自社サイトでの集客は、構造が根本的に違います。これは業種を問いません。不動産でも、製造業でも、ECでも、サービス業でも、構造は同じです。
ポータルサイト・広告に頼る
- 出稿を続けている間、安定的に流入が確保できる
- 出稿を止めると、その時点で流入も停止する
- 同じ条件の競合と一覧表示され、価格や条件で比較されやすい
- 物語や価値観を語るスペースが限定される
- 検索順位やドメイン評価は媒体側に蓄積される
自社サイトで集客する
- 続けるほど検索順位が積み上がっていく
- 自社サイト内で完結し、自社だけを見てもらえる
- 自社の物語・強み・こだわりを語る余地がある
- 検索順位やドメイン評価が自社に蓄積される
- 一度上位表示されれば、追加コストなしで流入が続く
成功のポイント
- 続けるほど検索順位が上がる仕組みを作った:コンテンツが資産として蓄積され、時間が味方になる構造へ
- 自社の物語・強みを語れる場を持った:価格や条件ではなく、選ばれる理由で差別化
- 価格競争から脱却できた:ポータル上の比較表から離れ、自社の土俵で勝負できる状態に
- お金を払わなくても人が来る構造になった:広告停止リスクから解放され、危機耐性が向上
あなたの会社でも、同じことができる
業種は違っても、構造は同じです。
Webエンジンは、私が10年かけてつかんだ知見をパッケージ化したサービスです。
60日間は完全無料。合わなければ、それで終了です。
※本ページに記載の数値は、株式会社MASAの実績に基づく概算値です。
※他社における同様の成果を保証するものではありません。
※「仮の話として」のシミュレーションは、計算上の例示です。

「これは、本当に自分のビジネスなのか?──売上の大半が広告費で消えていく毎月、何度も立ち止まりました」
── MuuMuu Aloha 代表(株式会社MASA)